不良技師2号さまよりの頂きもの
こちらは、
「よっこいせ」 腰に響かないように、気をつけて、立ち上がる。 幸村がシャワーを浴びているあいだにと、ハボッ クは昨夜脱ぎ散らかしたままの服を身に着け、キッ チンに向かった。 勝手知ったる――である。 薬缶をコンロにかけ、冷蔵庫から卵とベーコン、 野菜を取り出すと、ハボックは手早く調理をしはじ めた。 一人暮らしが長いので、実は、朝食くらいは作れ るのだ。 内緒にしているわけではないが、どうも、ハボッ クが調理するというのはありえないと思われている 節がある。当然、幸村も知らない。 熱したフライパンに、手早くバターを溶かし、溶 いた卵を流しいれた。 シャワーから出てきた幸村が、目を丸くする。 テーブルの上には、既に湯気を立てている二人分 の朝食が、並べられていた。 「おはよー。幸村」 ハボックが二人分のマグにコーヒーを注ぎながら へらりと笑う。 「へぇ。たいしたもんじゃな………い」 幸村が椅子に座るよりも先に、 「ああっ!!!」 ハボックの悲痛な悲鳴が響いた。 「う〜ん。幸村は、ベーコンはもうちょっとカリカ リのほうが好みなんだよな」 どこからともなく現れた、ペイジ・ラ・グリース 大将が、ちゃっかりと幸村の正面の席に座り、ハボ ックを見上げた。 せっかくの休暇がにぎやかに過ぎていきそうな予 感に、岸宮幸村は顔を片手で覆った。 |
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