心地好く秘密めいたところ 2



 あの日から三日が過ぎた。
「おっかしいなぁ」
 ハボックが首をかしげた。
「どうした?」
 同僚のブレダ少尉が振り返る。
「いや、こう、視線を感じるんだが……」
「心当たりは?」
 面白そうに顔をゆがめて、ブレダが足を止めた。
 東方司令部へと、正門から向かっている二人だった。
「もしかして、それは、アレか?」
 ブレダが顎をしゃくった先には、ロイ・マスタング大佐の横顔があった。
 最近、ことあるごとに、というか、気がつくと大佐と目が合うのだ。
 先日のエンヴィといた自分の記憶がよみがえったのだろうか――と、最初こそギクリと心臓が跳ね上がったが、どうやらそれは杞憂らしい。
 何故か、視線を逸らした大佐の襟首から目元にかけてが、朱に染まっていたりする。
 頻繁に目撃されるようになった大佐のこのようすは、軍の一部の女性たちの間に、ある種のセンセーションを巻き起こした。が、それはまた別の話である。多分―――――。
「いや、あれとは別口だな」
「ほう?」
「司令部では感じないからな。一般市民らしい」
「惚れられでもしたか?」
「よせやい」
 ハボックが手を振って打ち消した。


1
3


from 12:49 2004/04/11
up 2004/04/21

あとがき

めちゃくちゃ短くて、ごめんなさい。キリのいいところでと思ったら、ここになっちゃいました。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送
HOME  MENU