心地好く秘密めいたところ 2 |
あの日から三日が過ぎた。 「おっかしいなぁ」 ハボックが首をかしげた。 「どうした?」 同僚のブレダ少尉が振り返る。 「いや、こう、視線を感じるんだが……」 「心当たりは?」 面白そうに顔をゆがめて、ブレダが足を止めた。 東方司令部へと、正門から向かっている二人だった。 「もしかして、それは、アレか?」 ブレダが顎をしゃくった先には、ロイ・マスタング大佐の横顔があった。 最近、ことあるごとに、というか、気がつくと大佐と目が合うのだ。 先日のエンヴィといた自分の記憶がよみがえったのだろうか――と、最初こそギクリと心臓が跳ね上がったが、どうやらそれは杞憂らしい。 何故か、視線を逸らした大佐の襟首から目元にかけてが、朱に染まっていたりする。 頻繁に目撃されるようになった大佐のこのようすは、軍の一部の女性たちの間に、ある種のセンセーションを巻き起こした。が、それはまた別の話である。多分―――――。 「いや、あれとは別口だな」 「ほう?」 「司令部では感じないからな。一般市民らしい」 「惚れられでもしたか?」 「よせやい」 ハボックが手を振って打ち消した。 1
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あとがき
めちゃくちゃ短くて、ごめんなさい。キリのいいところでと思ったら、ここになっちゃいました。